紙のチケットが存在しない世界は、スマートフォンのバッテリー切れや紛失、あるいはキャリアの通信障害ひとつで一変する。数万人が一堂に会する大型スタジアム周辺では、基地局の電波が逼迫し、チケットの表示すら困難になるアクシデントが過去に何度も発生してきた。
これに対し、事前ダウンロード機能や会場周辺での専用Wi-Fiスポットの設置、さらにはオフラインでも認証が可能な暗号化技術の導入など、運営側も手をこまねいているわけではない。
それでもなお、「スマホが動かなくなったらどうしよう」というファンの根本的な不安を完全に払拭するには至っていない。デジタル依存度が高まれば高まるほど、アナログなバックアップ体制の重要性が再認識されるという皮肉な現象が起きている。