朝日が山肌をオレンジ色に染め上げる瞬間、登山道に集まったハイカーたちから息をのむような感嘆が漏れる。標高ごとに変化する植生と、山頂から見下ろす原生林のコントラストは、まさに自然が創り出した芸術作品と言っていい。単なる観光地化を拒み、ありのままの生態系を維持してきた歴史が、ここへ来て最大の強みとして花開いている。
欧米やアジア各国からの国際便が到着する主要空港からのアクセスが整備されたことも追い風となった。しかし、利便性が向上してもなお、過剰な混雑は見られない。デジタル事前予約システムによって1日の入山者数が厳格にコントロールされているため、ハイカーは他者の喧騒に邪魔されることなく、風の音や鳥のさえずりに耳を澄ますことができる。