かつて公共図書館といえば「私語厳禁」の代名詞だった。しかし、ここにはグループワークやディスカッションを目的とした「会話可能エリア」が堂々と存在する。テーブルを囲んでブレインストーミングを行う起業家グループや、自由研究のアイデアを出し合う中学生たちの声が適度なBGMのように響く。
こうした開かれた空間が生み出す副産物は計り知れない。異業種交流の自然発生や、世代を超えた偶然の出会いなど、静寂の中では生まれ得なかった「知の交差」が日々繰り広げられている。図書館側の柔軟な運営方針が、市民の自主的な活動の芽を力強く育てているのだ。