参道を歩けば、境内のあらゆる隙間に敷き詰められた赤いダルマに目を奪われる。石垣の隙間、灯籠の影、鳥居の根元。大小さまざまな「勝ちダルマ」が、静かに参拝者を見つめ返している。
勝尾寺における「勝つ」とは、他者を蹴落とすことではない。自分自身の甘えや恐れ、挫折に打ち勝つことを意味する。参拝者はまず、自らの目標をダルマの背中に書き込み、右目に墨を入れる。そして努力を重ね、願望が成就した日、感謝を込めて左目を描き入れ、境内に納めるのだ。境内に並ぶ無数のダルマは、ここで生まれた決意と、それを果たした無数の人々の軌跡そのものである。