朝市を歩く人の手に必ず握られているものがある。それは揚げたての香ばしいチキンや、湯気が立つカップに入った汁物だ。とりわけ名物として知られる「大江鈑金」の手羽先揚げは、朝4時の時点で既に行列ができるほどの加熱ぶりを見せる。カラッと揚がった皮に絶妙な塩気が効いた手羽先は、早朝の冷え込んだ体に染み渡る旨さだ。
さらに歩みを進めると、八戸港直送の生ウニやホタテを贅沢に使ったいちご煮のスープ、焼き立ての煎餅に鯖を挟んだご当地バーガー、手打ちうどんの香ばしい出汁の香りが五感を揺さぶる。フレンチトーストの甘い香りと焼き鳥の煙が混ざり合う、この雑多で贅沢な食空間こそが朝市の醍醐味と言える。