栃木県といえば、全国トップクラスの生産量を誇る「いちご王国」だ。「とちおとめ」や「スカイベリー」「とちあいり」など、数々のブランド品種が全国の消費者を魅了してきた。しかし、予期せぬ日照不足や、ハウス内の温度管理を難しくさせる寒暖の乱高下は、農家にとって死活問題となっている。
真岡市や鹿沼市の先進的な農家では、環境制御技術を導入したスマート農業への切り替えが急速に進む。外気の温湿度や日照量を自動計測し、CO2濃度や遮光カーテンを最適化するシステムによって、気候変動のリスクを最小限に抑える試みが実を結び始めている。気象の変化を科学的に乗り越える姿勢が、伝統の味を守り続けているのだ。