鎌倉の夜を唯一無二のものにしているのは、間違いなく海上で展開されるダイナミックな演出だ。なかでも、走る船の上から熟練の花火師が次々と海中へ投げ込む水中花火は、本大会の代名詞として知られている。着水した瞬間に水中で激しく爆発し、海面上に直径数十メートルにおよぶ巨大な半円形の花を咲かせる光景は、陸上打ち上げの花火では絶対に味わえない破格の臨場感を誇る。
2026年の演出を担当する花火師グループによれば、今年は海面の反射効果を極限まで計算に入れた最新の発光薬調合を採用しているという。「波のうねりと光の干渉をあらかじめシミュレーションし、水面に映る余韻まで美しく残す」と担当者は自信を覗かせる。打ち上げ台船から放たれる大輪の尺玉と、水面を這うように広がる黄金色の光が重なり合う瞬間、由比ヶ浜全体が息をのむような大歓声に包まれるはずだ。