近年の展示構成において、山種美術館が見せるテーマ性の鋭さには目を見張るものがある。「花鳥風月」という伝統的なカテゴリーの再解釈はもちろん、絵画に描かれた着物の意匠、食文化、さらには当時の都市の暮らしや画家の交友関係に着目した多角的な視点の企画展が次々と話題を呼んでいる。
作品の前で立ち止まり、画家の視線を追体験する。描かれた植物のグラデーションに込められた意味を読み解く。洗練された解説パネルや音声ガイドは、専門知識を持たない鑑賞者にも深い発見の喜びをもたらす。ただ作品を眺めて通り過ぎる展示ではなく、思考と感性を揺さぶる立体的な体験がここにはある。