「これほど読めない空は半世紀育ててきて初めてだ」——岡山市北区で白桃を栽培するベテラン農家は、空を見上げながら吐露する。岡山を代表する高級白桃やシャインマスカットは、潤沢な日照時間と少ない雨が育む至高の味。しかし、近年の突発的な豪雨と夏の猛暑は、糖度管理や皮の品質維持にこれまでにない難題を突きつけている。
これに対し、地元の生産者たちは手をこまねいているわけではない。ハウスの全自動遮光シート導入や、根元への自動散水システムの構築など、テクノロジーを活用した防衛策を急ピッチで進めている。伝統の果樹栽培が、気候の荒波を越えるための新たな進化を迫られているのだ。