かつて若者ファッションの発信地として名を馳せた大名エリアは、ここ数年で洗練されたオフィスや高級ホテル、グローバルブランドの旗艦店が立ち並ぶエリアへと劇的な変化を遂げた。都市の景観が美しく整えられていく一方で、カオスで深遠なカルチャー体験を提供する拠点の価値は、皮肉にもかつてないほど高まっている。
一歩足を踏み入れれば、壁一面を埋め尽くす絶版漫画の山、天井近くまでディスプレイされたヴィンテージトイ、超レアな美少女フィギュア、そして昭和歌謡のレコードやアイドルグッズが視界をジャックする。デジタル化された都市の真ん中で、ここは泥臭くも圧倒的な「現物の質感」が支配する要塞なのだ。