戦国武将・毛利元就の「三本の矢」の教えに由来する四股名を授かった大波三兄弟。その長男である彼の立ち位置は、角界の歴史を見渡しても極めて異彩を放つ。弟2人が関取として幕内の土俵を沸かせる一方、長男は幕下や三段目の土俵で地道な土俵務めを続けている。
「兄ちゃんがいたから自分たちがある」。弟の若元春や若隆景が口を揃えて語る言葉だ。稽古場での激しいぶつかり合い、そして若い頃からの部屋の基盤作りにおいて、彼の果たした貢献は計り知れない。スポットライトが当たる場所の少し後ろで、彼は常に弟たちの盾となり、道標であり続けた。