1889年、モン・サン・ミッシェルにほど近いモン・ジョワ・サン・ジェームス市でその歴史は始まった。地元の羊毛を使った頑丈なニットウェアは、海風に晒される船乗りや漁師たちの体を冷えから守るための道具だった。ブランドの代名詞とも言えるボートネックと7分袖の意匠は、作業中にロープが引っかからないように、また水に濡れた際に素早く脱ぎ捨てられるように設計された実用的なデザインに由来する。
流行を追うのではなく、必要性から生まれたデザイン。これこそが、時代を経ても色褪せない「機能美」の原点だ。現代でもモン・サン・ミッシェルの自社工場で伝統的な製法を守り続け、熟練職人の手仕事を経て出荷されている。徹底した品質管理とプライドが、一枚のカットソーに確かな命を吹き込んでいる。