日本のプロ球団には数々のマスコットが存在する。しかし、つば九郎ほど個性が立ち、長年にわたって独立したタレントとしての地位を確立した例は他にない。
理由の一端は、その「完璧すぎない人間味」にある。メタボリックな体型を自ネタにし、カンペを掲げては時事ネタや他球団の話題に容赦なく踏み込む。可愛いだけのマスコット像を壊し、大人の鑑賞に耐えうるシュールな笑いを確立した。その間合い、歩き方、首の傾げ方ひとつ取っても、長年培われたセンスが光る。一度球場に足を踏み入れれば、観客の視線は打席の打者と同じくらい、ベンチ裏や外野線をうろつく一羽の燕に向けられるのだ。