外食業界全体が食材費や物流費の高騰に直面する中、米や海苔を主役とする専門店もまた厳しい調達環境に置かれている。だが、真の実力店ほど素材への妥協を一切許さない。
山形県の「つや姫」や新潟県の「新之助」、あるいは冷めても甘みが引き立つ特定農家の特別栽培米など、店主自身が現地へ直接足を運び、生産者と直接契約を結ぶ動きが加速している。土壌作りから関わるケースすら珍しくない。
海苔の選定にも熱がこもる。有明海産の初摘み海苔を使用し、パリッとした歯ごたえと香ばしさを最大限に引き出すため、提供する直前に巻くスタイルが主流だ。塩は沖縄や能登の天然塩を使い分ける。シンプルな料理だからこそ、誤魔化しの効かない真剣勝負が繰り広げられている。