器に対する並々ならぬこだわりも、金沢ならではの体験を決定づける要素だ。多くの店舗では、既製品のカップではなく、金沢周辺の若手作家が手がけた九谷焼や大樋焼(おおひやき)のオリジナルカップでコーヒーが提供される。
色鮮やかな九谷の五彩(赤・黄・緑・紫・紺青)がモダンにアレンジされたマグカップは、視覚的な歓びをもたらすだけではない。唇に触れるエッジの厚み、手に持ったときの土の温もり、そしてドリップの熱を絶妙に保つ保温性。一杯のシングルオリジンが、器の工芸的価値によって何倍にも引き立てられる。器を選んでオーダーできる体験型スタイルの店舗も登場し、若い世代や外国人旅行者の心を掴んで離さない。