この作品を唯一無二の存在に押し上げたのは、マイケルが天才的な構造エンジニア(建築技師)であるという斬新な人物設定だった。刑務所の設計図、脱出ルート、化学式、緊急連絡先――それらあらゆる極秘情報を、緻密なゴシック調の刺青として自らの肉体に刻み込む。このアイディアは当時のテレビ界に大きなショックを与えた。
暴力や武力で壁を破るのではない。物理学や材料工学、果ては心理学までを総動員したチェスのような頭脳戦。一見無意味に見える図形や数字が、土壇場で完璧なピースとして噛み合っていく快感は、今なお他のサスペンス作品の追随を許さない。