今大会最大の波乱は、大会序盤から巻き起こった。絶対王者として君臨する花巻東や盛岡大付に対し、ノーシードから勝ち上がってきた公立の雄たちが牙を剥いたのだ。特に3回戦での一戦は、岩手の高校野球史に残る大波乱となった。
ノーシードの盛岡一高が展開した徹底的な機動力野球は、強豪校の投手陣を揺さぶった。緻密なデータ分析と、1球ごとにベンチから飛ぶ鋭い指示。後半8回裏、満塁の好機で叩き出した走者一掃のタイムリー二塁打は、球場の空気を一変させた。「名前負けはしない。自分たちの野球を貫くだけだった」。主将の放った言葉には、強者へ立ち向かう確かなプライドが宿っていた。