日本のドライバーが最も懸念する「冬場の航続距離の落ち込み」について、北陸や北海道といった寒冷地での実走データはどのような現実を示しているだろうか。カタログ上のWLTCモード航続距離がいくら優れていても、氷点下の環境でシートヒーターとエアコンを全開にすれば、航続距離表示が跳ね下がるのはEV宿命の課題だ。
2026年モデルでは、ヒートポンプ式エアコンディショナーの熱効率向上と、輻射ヒーター(膝元を直接温めるパネルヒーター)の標準化によって、電力消費を格段に抑えることに成功している。冬場の実効航続距離の低下率は、初期型の「約4割減」という厳しい数値から、最新型では「2割〜2.5割減」の範囲に留まっている。
金沢から高山へと向かう雪道の山岳ルートでも、バッテリーの残量表示が唐突に減少するような不安定さは姿を消した。過酷な条件下でも予測可能性が高いという点は、トヨタの質実剛健なエンジニアリングが身を結んだ部分と言えるだろう。