2年で消えてしまう有休をそのまま捨てるのは、労働者にとっても企業にとっても惜しい。そこで近年、採用力強化とエンゲージメント向上を狙う企業の間で導入が相次いでいるのが「失効有給の積み立て保存制度」だ。
時効で消滅するはずの有給休暇を別枠でプールし、本人や家族の病気療養、介護、あるいはボランティア活動などに限定して使用を認める仕組みだ。上限を60日程度に設定する企業が多く、2026年の労働市場においては福利厚生の質を測るリトマス試験紙となっている。
この制度は法律で義務付けられたものではない。だが、優秀な人材の確保と離職防止に苦しむ企業にとって、実質的なコスト増を抑えつつ安心感を提供できる強力な武器として急速に広がっている。