プロダクトデザインの世界でも、劇的な変化が起きている。従来の冷たさを感じさせるスチール製L字型からの脱却だ。今年トレンドの頂点に君臨するのは、未加工の粗々しさを残した天然大理石や、透過率を計算し尽くした光学ガラス、そして3Dプリント技術によって複雑な幾何学模様を描き出したチタンプロダクトである。
ある新進気鋭のデザイナーは「本の重みを受け止めるという物理的な機能を極限まで追求した結果、必然的に美しいフォームにたどり着いた」と語る。光の射し込む角度によって表情を変える透明アクリルや、時とともに味わい深い酸化被膜を纏う真鍮など、素材そのものが持つストーリーが買い手の心を捉えて離さない。