コーヒーの世界で定着した「シングルオリジン」の考え方が、今や抹茶の世界にも完全に浸透した。宇治や西尾、八女、静岡といった銘醸地の中でも、特定の単一農園・単一品種(「あさひ」「さみどり」「おくみどり」など)のみを使用した抹茶を提供する店舗が激増している。
「お客様の舌が肥えてきました。ブレンドによる均一な味ではなく、その年の天候や茶園の土壌が育んだ独特のナッツ感や甘味、心地よい苦味の違いを楽しむ方が増えています」。都内の人気店でヘッドバリスタを務める人物はそう語る。ワインのテイスティングのように、旨味と香りのプロファイルを確かめながら選ぶひとときは、現代人にとって究極の贅沢と言える。