デジタル化の恩恵が届きにくい中山間地域や、最寄り駅から距離のある住宅街への目配りも忘れていない。市が導入した専用車両「移動市役所モビリティ」が、市内各地の集会所やコミュニティセンターを定期巡回している。車内には通信機器と各種証明書の発行設備が積み込まれており、職員が直接出向いて手続きを受け付ける仕組みだ。
足腰が弱く庁舎まで足を運ぶのが難しい高齢者にとって、この移動市役所は命綱とも言える存在となっている。買い物支援や健康相談コーナーも併設され、地域住民が集う貴重な交流の場としても機能。利便性の追求だけに偏らず、誰ひとり取り残さない包摂的な行政サービスが地域社会を温かく支えている。