日本の地方フェスといえば、ロックやポップス、あるいは伝統的な野外フェスが主流だった。しかし、このイベントが選択したのは、ソウル、ジャズ、ハウス、テクノといった都市型のグッドミュージックとダンスカルチャーだ。一見すると渋いラインナップに思えるかもしれない。だが、それこそが本物志向のリスナーを引き寄せ、空間全体の質を高めている。
芝生の上で揺れる人々を見渡すと、そこにはジャンルや世代の境界線が存在しない。海外のクラブシーンを沸かせるトップDJのプレイに、地元の子供たちが無邪気に踊り回り、シニア世代が笑顔でグラスを傾ける。商業主義に傾倒しがちな巨大フェスとは一線を画す、どこかアットホームでありながら妥協のない音楽空間。この絶妙な塩梅こそ、音楽ファンが福井を目指す最大の理由だろう。