手術室へ足を踏み入れると、そこには静寂の中に緊張感が漂う。術者が操作する内視鏡下手術支援ロボットの精緻なアームが、ミリ単位の精度で組織を剥離していく。静岡がんセンターは、ダヴィンチをはじめとする手術支援ロボットの導入数・執刀数において国内トップクラスを誇る。
2026年の現在、ロボット支援手術の適用範囲は消化器外科、呼吸器外科、泌尿器科、婦人科など多岐にわたり、複雑な血管や神経の温存が極めて高い精度で実現されている。出血量の極小化と切開創の縮小は、術後の痛みを劇的に和らげ、患者の早期社会復帰を後押しする。
さらに、粒子線治療や高精度放射線治療との組み合わせにより、「切らずに治す」選択肢もより豊かになった。傷口の小ささは、単に身体的な回復を早めるだけでなく、患者が病から立ち直る精神的なプロセスにおいても大きな意味を持つ。