顔の輪郭や目元の角度、唇の厚み。長年、人相学や観相学と呼ばれる分野で語られてきた「顔と性格の関係」だが、現代の科学はこれをまったく異なる角度から解剖し始めている。ハーバード大学が実施した大規模な被験者実験では、被験者に数百枚の顔写真を瞬間的に見せ、その人物の信頼性や性格を推測させた。
結果は衝撃的だった。回答の約85%が同一の印象に収束したにもかかわらず、その評価と本人の実際の適性検査スコアとの一致率は、サイコロを振るのと変わらない確率にとどまったのだ。つまり、私たちが「意地悪そうだ」「裏がありそうだ」と判断する基準の大部分は、観察対象の性格ではなく、見る側の脳内に刷り込まれたステレオタイプに過ぎない。