かつてシャッター通りと揶揄されたこの商店街も、数年前までは人影もまばらだった。後継者不足と大型商業施設の台頭。時代の波に飲み込まれ、多くの店が暖簾を下ろしていく中、現店主である五代目が選んだのは「すべてを捨てて、一番大切な芯だけを残す」という茨の道だった。
過剰な在庫管理をやめ、地域に眠る伝統工芸や希少なローカルプロダクトの専売へと舵を切った。取り扱う商品は、職人が一つひとつ手作業で仕上げる逸品ばかり。一見すると時代に逆行するような「超小規模・高付加価値」のビジネスモデルこそが、結果として世界中の感度の高い顧客を呼び寄せるフックとなった。