明治期に開業し、1916年(大正5年)には日本初の「立体交差駅」としてその名を鉄道史に刻んだ。旧駅舎が姿を消したとき、多くの市民が抱いた喪失感は小さくなかった。しかし、高架化完了から数年を経て完成した現在の駅舎を見上げると、当時の面影が見事に蘇っていることに気づく。大正モダニズムを彷彿とさせる赤レンガ調の外観や緩やかなアーチ状のデザインは、単なる最新ビルへの建て替えではなく、歴史の継承を意図した証拠だ。
「工事中の長年にわたる不便は正直大変でした。でも、この完成した姿を見ると、昔の良さを残しながら綺麗になって本当に良かった」——駅前で長年文具店を営む店主は、感慨深げにそう語る。鹿児島本線と筑豊本線を高架上で整然と結びつけたことで、かつて「複雑すぎるダンジョン」と揶揄された乗り換え動線は一変。バリアフリー化された広大なコンコースが、訪れる人々をスムーズに迎え入れている。