菅生地区の名を全国に知らしめた最大の立役者は、間違いなくスイートコーンだ。標高500メートルを超える高冷地ならではの日中の陽光と夜間の冷え込み。この激しい寒暖差が、トウモロコシの糖度を極限まで引き上げる。最盛期を迎える季節、早朝4時から収穫されたコーンが直売所に並ぶと、店内は瞬く間に熱気に包まれる。
「生のままかじると、まるで果汁が弾けるフルーツのようです」。買い出しに訪れた福岡市内の男性は、箱いっぱいに詰まったコーンを抱えながら笑みをこぼす。一般的なメロンの糖度を超える18度以上に達することもあるというその甘さは、もはや野菜の域を超えている。焼きコーンの香ばしい煙が駐車場に立ち込めると、長旅の疲労は一瞬で吹き飛んでしまう。