この施設が真にユニークなのは、スポーツの枠組みすら軽々と飛び越えるフレキシビリティにある。床面の迅速な転換作業により、プロレスやボクシング、総合格闘技の特設リングが立ち上がったかと思えば、翌週には巨大なLEDスクリーンの前でeスポーツの世界大会が開催される。さらには地域企業のアワード式典や音楽ライブまで、年間稼働率は極めて高い水準を維持している。
「箱が大きすぎないからこそ、照明や音響の演出効果が凝縮される」とは、あるイベントプロデューサーの明快な弁だ。3000人から3500人規模のキャパシティは、中規模イベントの主催者にとって採算が取りやすく、集客の熱量を密度高く維持できる絶妙なサイズ感。演出の光と音が客席全体を包み込む一体感は、大型ドームでは決して味わえない独特のグルーヴ感を生み出している。