角田浜を象徴する景色といえば、やはり高さ数十メートルの断崖の上にぽつりと立つ角田岬灯台だ。海風を受けながら急な木造階段を登りきると、目の前には視界270度に広がる大海原と佐渡島の影が浮かび上がる。この壮大なパノラマは、一瞬で日常の雑念を吹き飛ばすほどの力を持つ。
灯台の真下に広がる洞窟には、歴史好きを惹きつける伝説が眠る。「判官舟かくし」と呼ばれるその洞窟は、源義経が兄の頼朝から逃れる際、奥州へ向かう途中で船を隠したと伝えられる場所だ。岩肌に打ちつける荒波と洞窟内部にこだまする波音を聞いていると、鎌倉時代の追撃劇の緊張感が時を超えて伝わってくるかのような錯覚に陥る。