かつて甲子園を席巻した大打者たちのアーチ競演は、もはや過去の光景となりつつある。2026年に義務化された低反発金属バットの導入から3年が経過した今、大会全体の打撃傾向は完全に塗り替えられた。
「芯を外せば内野ゴロ。外野の手前で失速する」。そう語るのは、今大会で注目の投手を擁する強豪校の監督だ。かつてのように「当てれば飛ぶ」時代は終わり、強烈なライナーを隙間に通す打撃技術と、一塁到達タイムを削る走力が勝敗を分ける。セーフティバントの試行回数は5年前の約1.8倍に跳ね上がり、盗塁成功率がゲームの主導権を握る。泥臭く一進一退を繰り返すスリリングな展開こそが、現在の甲子園の醍醐味だ。