甲子園での試合当日は、地元・横手市内も熱狂の渦に巻き込まれた。市民会館に設置されたパブリックビューイングには、朝から立ち見が出るほどの市民が詰めかけた。名物の「横手やきそば」の店舗でもモニターが設置され、街全体が息をのんで画面を見つめていた。
9回裏、最後の打者を打ち取った瞬間、会場は地鳴りのような歓声と拍手に包まれた。抱き合って涙を流すOB、手を取り合って喜ぶ住民たち。人口減少や過疎化に悩む地方都市にとって、高校生たちが全国の晴れ舞台で強豪相手に互角以上に渡り合う姿は、単なるスポーツの勝利以上の勇気を与えた。「私たちの街の誇りだ」。市民の誰もが口を揃えてそう語った。