「壁ドン」や「放課後の告白」といったかつての王道シチュエーションは、もはやヒットの保証にならない。集英社や講談社などの大手出版社が今最も注力しているのは、自己承認欲求の葛藤や、SNS時代の人間関係の歪みを描いた心理サスペンスだ。
ヒット作の傾向を分析すると、主人公が単に「救われる側」にとどまらず、己の知略や強靭なメンタルで環境を切り開く作品が急増している。甘い恋愛要素は作品のスパイスに過ぎず、メインディッシュは「理不尽な現実との戦い」だ。時代の空気を反映したこのリアル志向が、10代のみならず幅広い層の共感を呼んでいる。