「3、2、1……発射!」の合唱とともに地面が激しく揺れ、地鳴りのような爆音が数十キロ先まで届く。打ち上げ当日の種子島周辺は、全国から駆けつけた見学者や撮影クルー、そして地元住民の熱気に包まれる。恵まれた自然環境の中に建つ種子島宇宙センターは「世界一美しいロケット発射場」と評されるが、運用現場には常に緊迫感が漂う。
天候判断や上空の風の条件は極めてシビアだ。一度の延期が数千万円から数億円のロジスティクス影響を及ぼすため、射場関係者はミリ単位の計測データと気象予測に神経をすり減らす。幾多の試練を乗り越えて打ち上がる瞬間の感動は、現地に身を置く者しか味わえない唯一無二の報道現場だ。