激震は東京の超一等地から始まった。銀座のメインストリートや表参道の路地裏に続々と出店する店舗は、従来の洋菓子店のイメージを完全に覆している。一見するとハイブランドのジュエリーショップやモダンアートギャラリーと見紛うばかりの無機質で洗練されたインテリア。商品数は1日わずか数種類に限定され、完全予約制や整理券制を導入する店も珍しくない。
この動きに対して、日本の伝統的な洋菓子店や大手製菓メーカーも静観を決め込むわけにはいかなくなった。「これまで日本のケーキは世界最高峰だと自負していたが、彼らのブランディング能力とスピード感には目を見張るものがある」と、都内有名ホテルのシェフパティシエは匿名で明かす。すでに一部の老舗店では、アジアのフレーバーを取り入れた新ラインの開発に乗り出している。