かつて日本のテレビドラマにおいて「幸が薄い」というイメージは、耐え忍ぶヒロインや悲劇のヒロインという限定的な枠組みで語られることが多かった。木村多江に代表されるような、和服が似合い静寂の中で耐える佇まいは、昭和から平成にかけてのひとつの様式美として確立されていたと言える。
しかし、令和から2026年に至る流れの中で、その解釈は大きく変化した。単なる「可哀想な役」ではなく、内面に深い孤独や複雑な人間性を抱えた多層的なキャラクターを表現できる高度な演技スキルとして捉え直されているのだ。黒木華や満島ひかり、奈緒といった女優たちが魅せる影は、作品にリアルな手触りと文学的な香りをもたらす。