ラグジュアリーブランドの広告やハイファッション誌のカバーを飾るのは、かつてのような典型的な「ニコニコした商業的ビューティ」ではない。現在、名だたるトップメゾンがこぞって起用するのは、どこか退廃的で、アンニュイな雰囲気を纏ったモデルたちだ。
ハイブランドが求めているのは、衣服そのもののストーリーを引き立てる「キャンバスとしての深み」である。口角が下がった独特の口元は、モードな服の造形美を引き締め、静かな主張を放つ。愛くるしさよりも格調高さを求めるトレンドにおいて、この表情は最強の武器となっている。