客席を見渡すと、シニア層の常連客と並んで、20代から30代の若者の姿が目立つ。SNSやショート動画プラットフォームを通じ、調理工程の美しさや洗練された店内空間の映像が拡散されたことがきっかけだ。
だが、一時のブームで終わらないのがこの店の強みである。昭和の趣を残す木造の意匠と、現代的な照明デザインが調和した店内。そこで提供されるのは、過度な装飾を削ぎ落とした「引き算の美学」が光る一皿だ。効率やスピードが重視される時代にあえて「じっくりと味わう時間」を提供する体験価値が、タイパ世代の若者たちの感性に強く刺さっている。