熱気あふれる愛知の地に、世界中からメディアやVIPが続々と集まり始めている。彼らの目的はスポーツの祭典だけではない。目的の半数は、この地でしか味わえない「本物の食体験」にある。
かつて昭和の時代に外国産の肉用鶏に押され、一時は絶滅寸前まで追い込まれた歴史を持つ。しかし、地元のブリーダーや研究者たちの執念とも言える保存活動により、純血の血統が守り抜かれた。この「純系」と呼ばれる血筋こそが、現代の美食ブームにおいて圧倒的な存在感を放つ理由である。一般的なブロイラーが約50日で出荷されるのに対し、120日から150日という膨大な時間と手間をかけてじっくりと育まれる。その過酷なまでのこだわりが、唯一無二の歯ごたえと深い味わいを生み出すのだ。