東京・表参道のサードウェーブ系ロースタリー。店頭に並ぶシングルオリジン・エスプレッソの価格は、この2年で1.5倍以上に跳ね上がった。原因は明快だ。赤道付近の伝統的な高品質アラビカ種の栽培適地が、急速な気温上昇に伴ってより標高の高いエリアへと押し上げられているためである。
かつて低地で豊富に収穫できた高品質な豆は、いまや標高1,800メートル以上の限られた山岳地帯でしか育たない。生産面積の縮小は必然的に市場の供給不足を引き起こし、世界規模でのオークション価格を押し上げている。市場関係者の間では、この「標高レース」が今後さらに激化するとの見方が根強い。