気候変動や水産資源の変動が世界的な課題となる中、恵比寿の鮨界はいち早くサステナブルな食材確保へと舵を切った。市場直送の超高級魚だけに頼る時代は終わった。現在、トップシェフたちが熱視線を送るのは、未利用魚(価値がつきにくく廃棄されていた魚)の価値再発見や、環境負荷を抑えた最先端の陸上養殖魚だ。
「適切な手当てと熟成技術があれば、メジャーなマグロやウニに負けない感動的な一握りを作れる」。ある若手親方はそう語る。職人の高度な仕込みによって生まれ変わった深海魚や地魚の握りは、環境意識の高い海外客からも絶賛を浴びている。環境配慮と極上の味覚を両立させる姿勢が、世界基準の評価を獲得する原動力となっている。