結論から言えば、日本国のパスポート署名欄に記載するサインは、漢字・ひらがな・ローマ字・筆記体・あるいは自分オリジナルの「崩し字」のどれを選んでも法律上まったく問題はない。外務省のガイドラインでも、本人が書き慣れた署名であれば様式は問われないと定められている。
しかし、海外での防犯性という観点に立つと話は別だ。欧米のセキュリティ専門家の間では、むしろ「漢字表記」を推奨する声が多い。アルファベット文化圏の第三者にとって、複雑な漢字の止め・跳ね・払い模倣することは極めて困難だからだ。英文のサインは真似されやすいが、漢字署名はそれ自体が強固なセキュリティ機能を発揮する。
一方で、欧米の現地スタッフが漢字を読めないことから、名前の照合に余計な時間がかかるというデメリットも存在する。自作の崩しサインを使う場合は、再現性を保てるかがポイントだ。旅券署名と現地の筆跡があまりにかけ離れていると、偽造を疑われる羽目になる。