製法の秘密は、伝統と革新の絶妙な融合にある。ベースとなるのは、アイルランドの古窯から受け継がれたという300年物の天然サワー種。これに北海道産の無農薬小麦「キタノカオリ」と「はるゆたか」を独自の黄金比率でブレンドしている。
発酵時間はなんと72時間。通常のパン作りの常識を遥かに超える超低温長時間発酵を採用することで、小麦のタンパク質がゆっくりと分解され、アミノ酸の旨味成分が最大限に引き出される。一切の添加物や人工的な香料を使わず、水と塩、そして酵母と小麦の力だけでこの深みを作り出しているのだから驚かされる。
職人の手仕事も徹底している。毎日の気温や湿度に合わせて水温や粉の捏ね具合を微調整する。工場での量産化を一切拒否し、1日に焼ける数量を厳密に制限している点も、品質を守り続ける強い意志の表れと言える。