三国花火を象徴する存在といえば、船上から海へ直接投げ込まれる「水中2尺玉」だ。水面で炸裂する大輪の光は、視界一面を覆い尽くす圧巻の破壊力を誇る。しかし、その豪快さの裏には常に危険と隣り合わせの技術が潜んでいた。
海上の波浪や潮の流れが少し変わるだけで、不発弾の回収作業や破片の飛散予測は困難を極める。特に近年、海岸線の侵食によって観客席と打ち上げポイントの距離感が縮まっていたことも課題とされていた。伝統の職人技と最先端の安全基準。そのふたつの狭間で、運営チームは長期間にわたる葛藤を続けていたのだ。