高校野球界に低反発バットが全面的に導入されてから3年が経過した2026年現在、本塁打で試合の流れが一変する光景は激減した。代わって勝敗の鍵を握るのが、1点を確実に奪うスモールベースボールと、相手のスキを突く機動力だ。
「以前なら長打で一気に点が入った場面でも、今は単打の連続やセーフティバント、相手のバッテリーエラーを見逃さない走塁がすべてを決めます」と語るのは、チームの打撃メカニクスを分析するデータアナリスト兼任の選手だ。実際、同校の打撃練習では、単にバットを振るのではなく、内野の頭を越すライナー性の打球角度(10度〜15度)を意識したティーバッティングが徹底されている。飛ばないバットだからこそ、確実性と打球速度を極限まで高めるアプローチが実を結びつつある。