2006年の携帯電話番号ポータビリティ(MNP)導入は、モバイル業界の勢力図を根本から塗り替えた。当時、参入間もなかったソフトバンクの孫正義氏は、既存キャリアの顧客を奪還すべくMNPの制度化を強く後押しし、番号を変えずにキャリアを乗り換えられる自由をユーザーにもたらした。
この制度変更によって、初期の090番号は「どのキャリアへも持ち運べる個人固有の資産」へと昇華した。特にゾロ目や連続数字を含む「良番」と呼ばれる090番号は、オークション市場やビジネス業界で高額取引されるケースすら存在する。長年連れ添った090番号は、現代において目に見えない信用と社会的ステータスを宿した実体的な資産価値を持ち続けている。